夜も更けてくると街は昼間と違う顔を見せる。
街の灯が綺麗に輝く時間帯に俺は一人で待ち合わせ場所へ向かっていた。
飲めるのを楽しみに歩く。今日はあいつも一緒だ。既に待ち合わせの飲み屋にいるらしい。
待たせない様に急ぐ。そこには俺以外のメンバーが揃っていた。
何故かはToiと一緒に飲んでいた。気にかけながらもKuroの隣に座る。
それから少しすると異変は起きた。仲良く飲んでいたと思ったの様子が明らかに可笑しい。
ごめんねぇと言っているが、悪びれた様子もなくToiは俺を見た。
テーブルに置いてあるグラスに目を向けると普通のカクテルにしてはアルコールの高い酒だと見ただけで分かった。
その酒を飲んだらこうなってしまったらしい。分かっていて飲ませたのかそれとも偶然なのか。
どんな事情だろうと許せない。
問いつめようとしたら、これから用事があるからと言って先に店を出てしまった。
呆れて何も言えない。だが、まずはこの状況をどうにかしないといけない。
酔ったこいつをこのままにしておく訳にも行かず、Kuroに事情を説明すると俺はを連れて店を後にした。
とりあえず、店を出たまでは良いがこれからどこへ行こうか。
あれこれ行き先を考える。そのままこいつの家へ送るのも考えたが、こんな時間に行くのは気が引けた。それに、何とか支えて歩いている状態だ。
となると俺の家へ行った方が良いかと思い、決めると再び歩き出す。
大通りまで行くとタクシーを呼び、来るのを待つ。
来たタクシーに乗り込み、運転手に行き先を告げるとタクシーは静かに動き出す。
窓から外の様子を眺めつつ目的地に着くまで隣で眠るを見ていた。
無事に俺の家へ着くとこいつを支えながらタクシーを降りた。
よほど強い酒だったのか、なかなか目を覚まさない。離さない様に少し強く抱き寄せると玄関の扉を開けた。
暗闇の中でスイッチを探して電気をつけると部屋の中へ進む。こいつを抱き上げると寝室まで連れて行く。
優しくベッドへ降ろすと布団をかけた。
表情は変わらず気持ち良さそうに眠っている。規則正しい寝息が聞こえてきて俺は寝室を出た。
暫くが起きた時を考えて準備をする。
それが終わると気になって寝付けなく、タバコを吸いながら時を過ごしていた。
どれくらい経ったのか寝室の方から音が聞こえてきて、ノックをして扉を開ける。
「大丈夫か?」
ようやく目を覚ましたらしく、まだ眠たそうだ。
「ゆき?」
初めに出た言葉は俺の名前だった。
それから辺りを見回す。
「ああ、ここは俺の家だよ。強い酒を飲まされて酔いつぶれたのを連れてきたんだよ。覚えてないか?」
今、必死に思い出そうとしている。時々、酔いで頭を押さえながら何とか思い出した様で徐々に顔色が変わっていく。
「ゆ〜せーーい!!」
全て思い出したようだ。それからは夕星のバカなど悪口を散々言って気分を良くしたのか落ち着きを取り戻していた。
「俺も二度とこんな事は起こさない様にあいつには十分きつく叱っておくから」
「有紀って怒らすと怖いよね…」
「俺が傍にいたから良かったけど、お前も女の子なんだから気をつけろよ?」
「うん。大丈夫だよ、有紀といる時しかこんなにお酒を飲まないから」
俺といる時だからというのは信頼されているんだろうな。
それは喜んでいいのか、それとも…都合の良い方に受け止める。
「飲み過ぎないのはいいかもな」
「これからは気をつけます!迷惑かけてごめんね。有紀が飲んでたのに邪魔しちゃったよね…」
酔わされたというのに自分より人の心配をしている。
「そうしてくれると助けるよ。まぁ、誰かさんの所為であまり飲めなかったな」
わざと意地悪く言えば俯く
凄く気にしている様だ。俺は優しくの頭を撫でる。
「ごめんなさい」
「気にしてないよ。そのかわり…」
何を言われるのか俺を見つめるの目と目が合わさる。
こんな事を言ったら驚かれるだろうと分かっていても止められず口にしていた。
語るに落ちる数秒前
あとがき
先に誤解されているかもしれませんので、音石さんに関して謝罪します。
もしかして無理やりお酒を飲まされてしまったのではと解釈されるかもしれませんが、決してそういう訳ではないです!
話の流れから書けなかったのですが色々な場合(詳しくはブログに書く予定です)を考え、飲んでみたら思ったよりも酔ってしまい予定通りに行かなかっただけです。すみません…。
ですので、どういうお酒が分かった上で飲んでいます。そして、音石さんも二人の仲を取り持とうとしています。
青井さんはまだどういった人物なのか分からない所が多く、また初めて書いたので自信がないのですがツイッターを見ていたら書きたくなってしまい、思いつくままに書きました。
ここまで読んで頂き、有難うございました。
2015.5.24 世莉企画TOPへ戻る